「えがお  つなぐ  ものづくり」深沢組

「密」にならない換気

「密」にならない換気

みなさんこんにちは。深澤です。
コロナウィルスの感染拡大がおさまりませんね・・
今回は「密」の話です。

「換気の悪い密閉空間」「多くの人の密集する場所」「近距離での密接した会話」の3つの「密」いわゆる「3密」を避けることで感染のリスクを減らすことが呼びかけられています。

その中で「換気の悪い密閉空間」は家づくりとも関わってるんじゃないかという質問をいただいたので、簡単にまとめてみました。

一般住宅で求められる換気設備の基準

まず、建築基準法で定められた換気設備の基準を見ていきたいと思います。
シックハウス対策の機械換気設備(24時間換気システム)は、1時間に0.5回(0.5回/h)室内の空気を入れ替えることで、二酸化炭素濃度は1,000ppm以下を維持する等の基準をクリアする必要があります。

0.5回/hで換気を考えると、建物の面積と家族の人数によっては過換気になったり、逆に換気不足になる事も考えられます。100㎡の家に1人で住むのか4人で住むのかで二酸化炭素排出量は変わってきますよね。

その為、 20(㎥/人・h)×人数で必要換気量を求める方法もあります。

 

「換気の悪い密閉空間」を改善できる基準とは

厚生労働省が定める「換気の悪い密閉空間」についてのガイドラインでは、ひとが集まる商業施設等に於いて、ビル管理法の換気基準をクリアできれば「換気の悪い密閉空間」を改善できるとしています。

さらに 商業施設等が前提ですが「人体から発生する二酸化炭素に基づき計算すると、室内の二酸化炭素濃度を1,000ppmに維持することは、一人当たりの換気量として毎時約30㎥(30㎥/人・h)を確保することに相当する。」との記載がありました。

共通の項目として「二酸化炭素濃度1,000ppm以下」が出てきました。

 

二酸化濃度を1,000ppm以下に維持する レベルの換気設備・換気計画

必要換気量は20㎥/人・h(建築基準法)と30㎥/人・h(ビル管理法)とで数値の差があるものの 「室内の二酸化濃度を1,000ppm以下に維持する」程度の換気性能がキーワードになりそうです。

一般の住宅では、前述のとおり建築基準法で 1時間に0.5回室内の空気を入れ替えることで、二酸化炭素濃度1,000ppm以下等の基準をクリアできる換気量を確保しています。

このことから、今の住宅の換気能力は感染対策としても有効だと言えそうです。

とはいえ子供が走り回ったり、お友達が遊びに来たりと住宅内での二酸化炭素濃度は常に変化しています。家庭で二酸化炭素濃度を測るのは一般的ではないので、風量調節機能や二酸化炭素濃度センサーと連動できる換気設備などを導入する等の工夫をするのもアリですね。

加えて注意が必要なのは、建物の「気密」の事です。

 

換気と気密の関係性

気密性が取れていないと、給気口以外の隙間から空気が入ってしまい、換気計画通りに換気する事が難しくなります。

次のグラフは第3種換気システム(自然給気・機械排気)の物ですが、C値(気密性能)が1.0の高気密住宅でも給気口から50%しか空気が入ってきません。C値2~3の中気密住宅になると20~30%程度となり、給気口からほとんど新鮮な空気が入ってきません。

C値が大きくなるほど計画した換気が出来ず、空気の入れ替えが想定通り行われない事を示しています。

深沢組の場合は第1種換気(機械給排気)なので、このグラフ程ではないかもしれませんが、気密性能が良いに越した事はありません。

気密性能(C値)は計算やシミュレーションで出すことはできません。一棟ごとに気密測定を行う必要があります。ちなみに昨年の気密測定の様子はコチラ↓

それから、フィルターが汚れていると換気効率は落ちるので、フィルター掃除はこまめにやった方が良いでしょう。

追記 2/5

JVIA( 日本輸入換気システム連盟 )のHPに以下の記載がありました。
コラムの中で色々と検証していますが、ここでは結論だけ載せておきます。詳しくはリンクから。

ある程度の許容誤差はあるとしながらも
「平均風速2.5m/sと比較的小さな地域においても、第1種換気に求められる気密レベルはC値0.5となります。さらに平均風速が6m/sと大きな地域においては、0.2とかなり高いものとなります。」とあります。

風速に関しては、気象庁の情報を整理すると前橋市の年間平均風速が3.05m/s、冬の時期(12月~2月)の平均が3.31m/sです。C値0.5以下は遵守したいですね。

参照:JVAI ホームページ

http://www.jvia.jp/column/igi_7.htm

まとめ

・二酸化炭素濃度1,000ppm以下を維持レベルの換気量を確保
・換気量調節機能や二酸化炭素濃度センサーなどは有効そう
・気密測定しようぜ
・気密性能は高いほうが良い C値は1.0以下0.5以下が最低限
・フィルターこまめに掃除しようぜ

とまとめましたが、

● 「換気の悪い密閉空間」は新型コロナウイルス感染症のリスク要因の一つに過ぎず、 一人あたりの必要換気量を満たすだけで、感染を確実に予防できるわけではなく、 人が密集した空間や密接な接触を避ける措置を併せて実施する必要があります。

と注意書きが厚生労働省からも出ていました。

しっかり換気をしつつ、コロナの早期収束を願うばかりです。

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