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そばにいるだけで。
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みなさんこんにちは。
暦の上では冬になったようですが、気候はまだまだ秋!
秋と言えば「読書」。という事で、秋の夜長に我が家では「読書週間」が始まりました。深澤家の読書週間は、妻の一言で突如として始まります。開会宣言?の後、数日のうちに読む本をそれぞれ用意し、1冊読み切るまで続きます。
今回私が選んだのは、小林秀雄著『考えるヒント』
数年前から気になっていた本です。 しかし、文章がなかなかむずかしい!国語の教科書みたいです!なので毎晩シャーペン片手に線や印をつけながら読んでおります(汗)。
内容は、物事の本質的な部分を意外な角度から考察するエッセイなのですが、わたしにとって正に“考えるヒント”になりそうな内容です。書かれたのは昭和30年代なのに現代に通ずる事ばかり。日本人の本質って変わらないのかもしれないですね。
昨日読んだのは「平家物語」というタイトルの回。平家物語の面白さを分析した内容だったのですが、その中にこんな文章がありました。
『私達は、社会は思うだけ改良できるものだし、自然は心のままに利用できるものだ、という考えに溺れて暮らしている。』
・・・まさに現代に通ずる言葉。後の文章を私なりに読み解いてみると、
はかない人間と常にそこにある自然。自然は私たちには無関心であり、時に無慈悲であるが、無常な人間のすぐ横にいつも寄り添ってくれている。それは昔から整然とある秩序であり、日本人が皆知っていた安堵がそこにある。その事を私たちは忘れてはいないはずだ。
と言うような事が書かれていました。例えば赤城山とか神社の御神木とか、ずーっとそこに佇んでいる。それだけ。それだけなんだけど、何故かホッとする。すごくわかる。
私の中で、自然への向き合き合い方の新たな視点が生まれた気が、いや思い出した気がしました。
深沢組のつくる家も、ご家族にとって、そこにあるだけで安心する、そんな住まいにしていきたいなと心から思います。